22時、400文字に込める秘密事

伝えたいことは原稿用紙1枚分もない。

SHORT STORY

月がね、とっても綺麗でしたよ。

この前に見た月がね、とっても綺麗でしたよ。 あなたが「月」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、きっと昔付き合っていた彼女の事なんでしょう。 けど、私が思い浮かべたのは、そんな彼女の話をするあなたの横顔だったんですよ。 月に纏わるエピソードを持つ…

もし、いつかまたどこかで会えたら

もし、いつかまたどこかで会えたら、あの時の答え合わせをしよう。 正解だったね、これでよかったんだよね、って、あの頃を振り返って笑いあおう。 その時がきっと、正真正銘の最後になるだろうから、別れ際には本当の気持ちを伝えよう。 あの頃、どうしよう…

人を「信じる」ということは

人を「信じる」ということは、時に愚かな一面を持っていたりもする。 あいつが吐いた薄っぺらいウソを、ウソだと分かっていて気付かないふりをした。 バカな女でいることを選んで、今ある目の前の幸せにただしがみついていた。 それが「信じる」ということな…

変わってしまったのはきっと私だけで

今日、あなたとの思い出の詰まったあの場所に行ってみた。 あなたと過ごしたあの頃の面影は今でも鮮やかに残っているのに、そこにあなただけが居なかった。 変わってしまったのはきっと私だけで、あの場所も、あの頃の思い出も、きっとあなたも、私にとって…

遠い昔の夢を見た。

遠い昔の夢を見た。 それはあまりに儚く、そして何より美しかった。 あの日、さよならを告げた日。 私は正直安心したんだ。 これでよかった。 これ以上そばにいたら、きっと。 きっと全てが駄目になるから。 だから、誰よりも幸せになって。 ここではない、…

一緒に生きていくと決めた。

本当の気持ちを胸に隠して、 もう二度と会わないと私が決めた。 多分、きっと、人生で一番好きだった人。 それだけはちゃんと覚えておこう。 きっと、これからも変わらず好きなんだろう。 だからこそ明確な終わりを選ばなかった。 心の奥の方で静かに燻って…